本文へ移動

債権回収の方法と弁護士の活用法

監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:

売上を計上したのに、取引先から代金が支払われない。資金繰りに直結する問題です。売掛金などの回収の進め方と、弁護士に依頼するときのポイントをまとめます。

回収の進め方

1. 取引先に連絡し、事情を確認する

まずは電話や書面で支払いを求め、遅れている理由と支払いの予定を確認します。一部ずつでも払ってもらう約束ができたら、支払いの予定を書面にしておきましょう。

2. 内容証明郵便で請求する

支払われない場合は、内容証明郵便で請求します。いつ、どのような内容で請求したかを証明でき、相手に本気であることを伝えられます。請求すると、時効の完成が6か月猶予されます。

3. 裁判所の手続きを使う

  • 支払督促:書類の審査だけで、裁判所から支払いを命じてもらう手続き。相手が異議を出すと、通常の裁判に移ります
  • 少額訴訟:60万円以下のお金の請求で、原則1回の審理で判決が出ます
  • 民事調停:裁判所で、話し合いによる解決を図ります
  • 通常訴訟:金額にかかわらず利用でき、判決で支払いを命じてもらいます

4. 強制執行

判決などが出ても支払われない場合は、相手の預金や売掛金、不動産などを差し押さえて回収します。

時効に注意

2020年4月以降に発生した売掛金などの債権は、原則として、請求できることを知った時から5年で時効になります。長く放置しないようにしましょう。

弁護士に依頼するとき

相手と交渉したり、裁判の手続きを代わりに行ったりできるのは、原則として弁護士です(140万円以下の簡易裁判所の事件は認定司法書士も可能)。弁護士に依頼すると、次のようなメリットがあります。

  • 法律に基づいて、冷静に交渉を進められる
  • 相手の財産の調べ方や、仮差押えなど、早めに打つべき手を判断できる
  • 相手に「本気で回収する」姿勢が伝わる

相談は、早いほど打てる手が多くなります。相手の経営が悪化している気配があれば、ほかの債権者より先に動くことが大切です。一方で、弁護士費用がかかることや、取引先との関係が元に戻りにくくなることも考えておきましょう。

相手が倒産した場合

相手が破産などの手続きに入ると、個別の回収はできなくなり、裁判所の手続きの中で債権を届け出て、配当を受けることになります。配当は債権の一部にとどまることが多いのが実情です。

未回収を防ぐために

  • 新しい取引先は、取引の前に信用状態を確認する
  • 契約書で、支払期日や遅れたときの扱いを決めておく
  • 取引先ごとに売掛金の残高と入金を管理し、遅れたらすぐに連絡する
  • 一つの取引先に売上が集中しすぎないようにする

参考:売掛金とは?・黒字倒産する人達

※制度の内容や金利は変わることがあります。最新の情報は、日本政策金融公庫・信用保証協会・各自治体など、各機関の公式サイトでご確認ください。