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営業譲渡による開業の場合

監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:

独立のしかたは、ゼロから事業を立ち上げるだけではありません。既存の事業を、店舗や設備、取引先ごと引き継いで開業する方法(事業譲渡。以前は「営業譲渡」と呼ばれていました)もあります。

この場合、譲渡契約を結び、資産や負債の内容がわかる資料を引き渡してもらいます。ところが、それらの資料を見てもわからないことがあります。それが、前の事業者と日本政策金融公庫(以下、公庫)などとの、過去の取引の経緯です。

完済した借入れにも注意が必要な理由

今残っている借入れは、決算書や借入明細からわかります。しかし、すでに完済した借入れの返済の経緯までは、ふつう引き渡されません。

「完済しているなら関係ないのでは」と思うかもしれません。しかし、完済までの途中で返済が遅れていたり、返済条件を変更(リスケジュール)していたりする可能性もあります。

公庫や信用保証協会は、過去の取引の状況を重視します。同じ店舗・同じ事業を引き継ぐ場合、前の事業者との取引の経緯があわせて確認され、融資の判断に影響することがあります。その結果、自己資金も事業計画も十分なのに、融資が受けにくくなることもあり得ます。

事業を引き継ぐ前に確認しておく

事業を売る側には、不利な事実はできるだけ伝えたくないという心理が働きます。残債がないことはごまかせなくても、「途中で少し遅れたことがある」くらいのことは、聞かれなければ伝えられないかもしれません。

事業を引き継ぐ側は、譲る側の借入れと返済の経緯を、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

参考:事業承継(事業譲渡)を考える時

※制度の内容や金利は変わることがあります。最新の情報は、日本政策金融公庫・信用保証協会・各自治体など、各機関の公式サイトでご確認ください。