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危機感のない人達

監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:

資金繰りで大切なのは、「お金の管理」と「危機感の持ち方」です。

危機を察知するのが早い経営者は、本当に危なくなる何歩も手前で気づき、先に手を打ちます。一方、危機感の薄い経営者が「まずい」と言い出したときには、すでに本当に危ない状態になっていることが多いものです。

危機感を持つのが早いほど、打てる手が増える

たとえば、月の売上(月商)が1,000万円の会社があるとします。手元の預金の目安を月商の3か月分とすると、3,000万円です。

預金が3,000万円を切ったところで危機感を持つ経営者もいれば、1,000万円を切っても危機感を持たない経営者もいます。当然、危機感を持つのが早い会社のほうが、融資を受けられる可能性も、選べる手段も、金利の条件も、はるかに有利になります。

資金繰りに困っている会社の原因をたどると、多くはこの「危機感のなさ」に行き着きます。そして、危機感がないのは、そもそも危機に気づける状態になっていないからです。試算表を毎月作っていないため、今いくら預金があり、会社がどういう状況なのかを把握していないのです。

月商、経費、お金が入ってくる時期と出ていく時期、預金の残高は、経営の基本です。これらを把握していないと、本来危機を感じるべきときに気づけません。危機がはっきり表に出てから専門家に相談しても、そのときにはもう手遅れ、ということになりかねません。

危機に気づくために、毎日の預金の残高をつける

中小企業は、預金の動きを毎日確認しましょう。経理に任せきりで、今いくらお金があって、いつ、いくら支払うのかを把握していない経営者もいます。「口座がいくつもあって把握しきれない」というのは言い訳にすぎません。

難しいアプリは必要ありません。表計算ソフトに銀行ごとの行を作り、毎日の終わりに残高を入れて合計するだけで、手元のお金を毎日把握できます。小さな会社では、会社と個人のお金は事実上一体なので、個人の預金もあわせて管理しましょう。

まずは預金の額を確認する

月商の3か月分以上あれば、ひとまず安心です。1か月分しかないなら、日本政策金融公庫や信用保証協会の保証付きの融資で資金を調達し、手元の預金を増やしておきましょう。できれば3か月分から6か月分あると安心です。

「本当に自由に使えるお金」はいくらか

今ある預金から、預かっているお金(預り金・消費税など)や、近いうちに支払うことが決まっている大きな費用を差し引いて、本当に自由に使えるお金がいくらあるかを常に把握しておきましょう。借入金も、すぐに減るお金ではありませんが、自分のお金ではありません。残高の大きさに気が大きくなって無駄遣いをしないためにも、この額を意識しておくことが大切です。

出ていくお金も把握する

1億円の預金があっても、数日後に5,000万円を支払うことが決まっていれば、実際に使えるのは5,000万円です。同じ5,000万円でも、すぐに支払うお金と、毎月少しずつ返していく長期の借入金とでは、資金繰りへの影響がまったく違います。

お金の管理を現金ベースでしっかり行えば、危機に気づきやすくなります。早めに危機感を持てば、経費の削減や資金調達に動く時間も確保できます。

参考:黒字倒産する人達・資金繰り表とは?

※制度の内容や金利は変わることがあります。最新の情報は、日本政策金融公庫・信用保証協会・各自治体など、各機関の公式サイトでご確認ください。