売掛金担保融資とは?
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監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
融資を受けるとき、担保といえば不動産が一般的です。しかし、中小企業の多くは、担保にできる不動産を十分に持っていません。そのために、堅実に経営しているのに、必要な資金を借りられないことがあります。
そこで活用したいのが、ABL(Asset Based Lending:動産・売掛金担保融資)です。会社が持っている在庫や売掛金、機械設備などを担保にして融資を受ける方法です。いわば、会社が事業で生み出した財産を担保にできる制度です。
ABLのしくみ
- 担保にできるもの:商品や原材料の在庫、取引先への売掛金、機械や設備、家畜など
- 融資の額:担保の評価額の範囲で決まります
- 担保の管理:融資の後も、在庫の量や売掛金の状況を金融機関に定期的に報告します
在庫や売掛金を担保にすると、金融機関は会社の商売の状況をよく把握できるようになります。そのため、業績が安定している会社や、売上が伸びて運転資金が必要になっている会社に向いています。
信用保証協会のABL保証
金融機関がABLで融資するとき、信用保証協会の「流動資産担保融資保証制度(ABL保証)」を利用できる場合があります。主な条件は次のとおりです。
- 保証限度額:2億円
- 保証割合:融資額の8割(残り2割は金融機関が負担)
- 保証料率:年0.68%
- 保証人:法人の代表者以外は原則不要
以前は売掛金だけを担保にする「売掛債権担保融資保証制度」でしたが、在庫も担保にできる制度に広がりました。くわしくは、取引のある金融機関や信用保証協会に確認しましょう。
ファクタリングとの違い
売掛金を使ってお金を調達する方法には、ファクタリングもあります。ファクタリングは、売掛金を専門の会社に売って、入金日より前にお金を受け取るものです。借入れではないので返済はありませんが、手数料がかかります。
一方、ABLは、売掛金や在庫を担保にして借りるものです。返済の必要がありますが、手数料ではなく金利で済むため、一般にファクタリングより費用は低く抑えられます。
動産譲渡登記・債権譲渡登記
ABLでは、担保にした在庫や売掛金について、金融機関の権利を第三者に主張できるよう、法務局に「動産譲渡登記」や「債権譲渡登記」をすることがあります。
- 登記をすると、在庫などの引渡しがあったものとみなされ、第三者に権利を主張できるようになります
- 登記ができるのは、譲渡する側(担保を差し出す側)が法人の場合に限られます
- 個別の機械などのほか、「〇〇倉庫にある在庫一式」のように、種類と保管場所で特定した在庫の集まりも登記できます
ABLを申し込むときの準備
- まずは取引のある金融機関に相談する
- 取引先からの発注書・納品書・請求書など、取引の内容と実績がわかる書類を整理しておく
- 売掛金の入金を受けている口座の通帳を、すぐに出せるようにしておく
- 在庫の量や価値を把握し、管理の記録をつけておく
ABLを扱う金融機関は、銀行のほか、ノンバンクにもあります。ノンバンクは審査が早い一方、金利が高めのことが多いので、条件をよく比べましょう。
※制度の内容や金利は変わることがあります。最新の情報は、日本政策金融公庫・信用保証協会・各自治体など、各機関の公式サイトでご確認ください。