会社設立後に融資を受ける際に注意すべきこと
最終更新日:
監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
会社を設立して、日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資を受けようとするときに、気をつけたい点をまとめます。
1. 資本金のための融資は受けられない
資本金は、自分や出資者が出すお金です。公庫が会社の株主になることはないので、資本金にあてるための融資はしてくれません。会社を設立して事業を始める場合、融資は会社の設立後に、会社として申し込むのが一般的です。
2. 資本金が少なすぎると融資を受けにくい
会社法では資本金1円から会社を設立できますが、資本金が数千円など、「その資本金で事業を続けられるのか」と思われる金額だと、創業融資を受けにくくなります。絶対に無理というわけではありませんが、可能性は下がります。
資本金が極端に少ないと、銀行口座の開設や、事務所の賃貸借契約などの審査にも影響することがあります。事業に実際に必要な資金をもとに、無理のない金額で出資しましょう。
3. バーチャルオフィスを本店にすると融資を受けにくい
住所を借りるだけのバーチャルオフィスを本店所在地にすると、事業の実態を確認できないため、融資は難しくなります。公庫の担当者が事務所を確認しに来ることもあります。
バーチャルオフィスを本店にするくらいなら、自宅を本店にすることも検討しましょう。なお、融資の申込みは、原則として本店(事業所)の所在地を担当する公庫の支店になります。
実際に部屋を借りる「レンタルオフィス」は、自前の事務所ではありませんが、事業の実態はあります。その場合は、
- レンタルオフィスにすることで、初期費用と毎月の経費を抑えた
- 商談や業務、サービスの提供に支障のない業種・形態である
- 小さく始めて、大きく育てていく計画である
といった点を、きちんと説明しましょう。
4. 融資の対象にならない業種がある
公庫では、金融業や投機的な事業、公序良俗に反する事業、一部の遊興娯楽業(性風俗関連の事業など)は、融資の対象外としています。同じ「風俗営業」でも、飲食店(社交飲食店など)は対象になる場合が多い一方、性風俗関連の事業は対象になりません。
会社の事業目的に、こうした事業が含まれていると、融資の判断に影響するおそれがあります。将来の事業を見越して事業目的を多めに書いておくこと自体は問題ありませんが、融資を受ける予定がある場合は、対象外になる事業を事業目的に入れないよう注意しましょう。
対象となる業種の詳細は、公庫の支店でご確認ください。
5. 事業に必要な許認可を確認する
許認可が必要かどうかは、事業によって異なります。
たとえば建設業では、1件の請負代金が500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満など)の軽微な工事であれば、建設業許可がなくても請け負えます。軽微な工事を中心に事業を計画しているなら、許可がなくても融資を受けられる場合があります。もちろん、許可があれば取引先の信用も高まり、大きな工事も請け負えるので、融資にも有利です。
一方、労働者派遣や有料職業紹介のように、許可がなければそもそも事業ができないものは、まず許可を取ることが前提になります。
創業融資は最も受けやすい融資ですが、そのぶん、書類や要件の準備も大切です。事業計画の準備に集中できるよう、日本政策金融公庫の創業相談や、商工会議所などの相談窓口も活用しましょう。
※制度の内容や金利は変わることがあります。最新の情報は、日本政策金融公庫・信用保証協会・各自治体など、各機関の公式サイトでご確認ください。