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貸付金のある会社はその合理的説明を!

監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:

貸借対照表に「貸付金」が計上されている会社があります。会社が社長や役員にお金を貸していることを意味します(役員貸付金)。

会社が苦しいときに、社長や役員が個人のお金を会社に入れる(役員借入金)のはよくあることで、経営者としては当然の行動です。反対に、個人の生活が苦しいからといって会社からお金を借りている状態は不健全で、金融機関の評価も大きく下がります。

会社が順調なら、役員報酬をきちんと払っているはずで、その範囲で生活していれば、報酬とは別に会社からお金を借りる理由はありません。役員報酬が払えないほど苦しい会社から、さらにお金を持ち出せば、会社の資金繰りはより苦しくなります。貸付金があることに、合理的な理由はなかなかないのです。

役員報酬を低く設定していた場合

業績が読めない創業のころは、役員報酬をいくらにするか迷うものです。高くすると社会保険料や税金も高くなり、業績が予想どおりにいかなければ払えなくなります。

その結果、報酬を月20万円と低めにしたものの、実際の生活費は月30万円かかり、毎月10万円ずつ会社から借りて、1年で120万円の貸付金が残る、ということが起こります。

この場合は、最低限生活できる金額で報酬を決めるべきだった、と反省したうえで、改善策を示す必要があります。業績が良ければ、来期は役員報酬を引き上げ、個人から会社へ返済して、できるだけ早く貸付金をなくす、と説明しましょう。

役員報酬が適正だった場合

役員報酬は、事業年度の途中では原則として変えられません。報酬で生活費を十分まかなえているはずなのに貸付金がある場合は、「何か個人的な予想外の出費があったのか」と思われても仕方がありません。不慮の事故や病気の治療費など、やむを得ない理由があるなら、きちんと説明しましょう。

貸付金は、早めになくす

金融機関は、社長からの借入金(個人から会社へ)は、実質的に返済を求めない資金として、適正な範囲ならあまりマイナスに評価しません。一方、会社からの貸付金(会社から個人へ)は、「本当に返ってくるのか」「不良債権ではないのか」と疑われ、大きなマイナスになります。

金額にもよりますが、貸付金が大きく膨らんでいる会社は、経営が危うい状態にあると見られるのが普通です。役員報酬から少しずつ返済するなどして、早めに解消しましょう。

参考:金融機関が見る決算書のポイントと決算対策

※制度の内容や金利は変わることがあります。最新の情報は、日本政策金融公庫・信用保証協会・各自治体など、各機関の公式サイトでご確認ください。