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金融機関が気にする決算書のポイント

監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:

会社が金融機関に融資を申し込むと、原則として決算書の提出を求められます。融資の判断で、決算書は最も重要な材料です。金融機関がどこを見ているのかと、融資を受けやすい決算書にするための対策をまとめます。

まず見られるのは、利益が出ているか

金融機関は、まず会社の業績を見ます。利益を出せていない会社にお金を貸しても、返ってこないおそれがあるからです。中心になるのは損益計算書で、特に、本業でどれだけ利益を出しているか(営業利益・経常利益)が見られます。

業績は1年だけでなく、数年の流れで判断されます。たまたま1年だけ黒字でも、前後の年に大きな赤字があれば評価は下がりますし、反対に一時的な赤字でも、原因がはっきりしていて回復の見込みがあれば、説明しだいで評価は変わります。

参考:赤字でも借りられる会社・借りられない会社の違い

純資産(自己資本)も重視される

もうひとつ重視されるのが、貸借対照表の純資産です。純資産が十分にあれば、多少の赤字が出ても返済の余地があります。反対に、負債が資産を上回る「債務超過」の状態だと、融資はかなり難しくなります。

純資産の厚さを示す自己資本比率(純資産÷総資産)は、業種によって差がありますが、一般に高いほど安全と見られます。中小企業では、まずは債務超過を避け、自己資本比率を少しずつ高めていくことが目標になります。

融資を受けやすくするための決算対策

利益を積み上げ、不要な資産を整理する

自己資本を増やす基本は、利益を出して積み上げていくことです。使っていない設備や土地などの遊休資産があれば、売却して借入金の返済にあてることも検討しましょう。帳簿の価額より安く売れば一時的に損失が出ますが、資産と負債がすっきりし、お金の流れは良くなります。

借入金は月商に見合った額に

借入金の額が、月の売上(月商)の何か月分にあたるか(借入月商倍率)も見られます。業種によって目安は異なりますが、月商の数か月分を大きく超えると、借入れが多すぎると判断されやすくなります。不要な借入れは早めに返済しましょう。

不良在庫・回収できない売掛金を整理する

決算のときの在庫(棚卸資産)が多すぎると、売れ残りではないかと見られます。売れる見込みのない在庫は処分しましょう。回収の見込みがない売掛金も、実態に合わせて整理しておくことが大切です。

中身のはっきりしない勘定を減らす

仮払金、立替金、内容のはっきりしない借受金などは、少ないほうが印象が良くなります。決算の前に精算しておきましょう。

会社から役員への貸付金をなくす

会社が社長や役員にお金を貸している「役員貸付金」は、金融機関の評価を大きく下げます。役員報酬から返済するなどして、早めに解消しましょう。くわしくは貸付金のある会社はその合理的説明を!をご覧ください。

税金をきちんと納める

税金の滞納があると、融資はまず受けられません。土地や有価証券の大きな含み損、決算書の数字の矛盾がないかも確認しておきましょう。

やってはいけないこと

黒字に見せるために、減価償却費を計上しない(または少なくする)という方法を取る会社もありますが、おすすめできません。減価償却をしていない形跡があると、ほかにも何かごまかしているのではと疑われます。

まして、売上を水増ししたり経費を隠したりする粉飾決算は犯罪で、論外です。金融機関の信用を一度失えば、取り戻すのは困難です。

参考:実態の説明をしっかりする

※制度の内容や金利は変わることがあります。最新の情報は、日本政策金融公庫・信用保証協会・各自治体など、各機関の公式サイトでご確認ください。