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融資用語集

融資に関する用語集の解説

融通手形とは?

通常のビジネスでは商取引が行われ、決済が発生した段階で手形が発行されます。

つまりあくまで売買による商取引が存在し、その決済をスムーズに行うことを目的に振り出されるのが手形なのです。

しかしこの融通手形とはそうした決済が伴う商取引が存在していなくても振り出されるという特殊なケースとして成り立っている取引方法です。

その特徴から商業手形の対義語として扱われます。

なぜ商取引が存在しないにも拘わらず手形が振り出されるのか?

それは商取引がもたらす売買・権利関係ではなく現金を必要としている人に対してそれを融通する人が手形を振り出し、資金調達を行うための手段として用いられているからです。

つまり、なんらかの商品を売買する際の決済方法という手形本来の役割から少々逸脱し、最初から資金調達の手段として使用される手形となります。

そんな融通手形にはいくつかの種類があります。




まず一般的なタイプでは現金の融通を受ける人が融通する人から手形を振り出してもらい、その後第三者(おもに金融機関)に手形割引をしてもらった形で譲渡します。それによって現金を確保する形。

このタイプでは資金を調達した人物は融通をしてくれた人に現金を支払い、その後融通した人が第三者に対して手形の決済を行う形になるのが大きな特徴です。

ほかにも、2人いた場合に双方の間で振り出されるタイプの融通手形もあります。

それぞれがお互いを受取人とする融通手形を振り出し、それぞれが第三者(おもに金融機関)で割引手形をしてもらい現金を調達します。

そこから先は通常の手形と同じです。

この場合、資金繰りが悪化している企業同士で手形を振り出しあった場合、返済が滞った場合には最悪共倒れで倒産してしまうリスクも生じます。

もうひとつ、金融機関との間で取り交わされる手形貸付というタイプもあります。

こちらは現金を融通したい人物が金融機関など資金を融資する期間に対してその相手を受取人とする手形を振り出し、現金化します。

その後現金を融通した相手に支払う形で手形の決済を行うことになります。

このように、簡単に言えば当座の資金が厳しくなって現金が必要になった時に金融機関に代表される第三者を活用することで他の人から融資を受ける方法として使用されるのが融通手形なのです。

資金調達の手段としてもやや特殊なケースといえますが、銀行からの融資が受けられず資金繰りが悪化している中小企業の調達手段として役立つ方法です。

協調融資とは?

通常、ローンに代表される金融機関の融資は、ひとつの機関が単独で行います。

そして融資限度額や金利はもちろん、審査の基準にも違いがあることから、ある金融機関で融資が断られた場合でも別のところでは別の判断があり、他の金融機関から融資を受けられる可能性も出てくるのです。

しかし協調融資とはそんなそんな金融機関の融資制度から大きく逸脱した制度ともいえるもので、複数の金融機関が協力する形で融資を行う制度です。

その仕組みから「シンジゲートローン」とも呼ばれています。

この協調融資という名称からもわかるように、各金融機関が協調して融資を行う点が最大の特徴です。 (more…)

商工中金とは?

融資に関してはさまざまな種類を用意しており、広く資金調達を必要としている対象に対して独自の総合支援策を取り揃えている金融機関が商工中金です。対象も個人、法人、個人事業主と幅広い範囲に及びます。

企業、とりわけ中小企業の経営安定化や事業の促進のために必要な資金を融資するものが多く、資金繰りに困った時に利用する駆け込み寺のような役割を備えているのもこの金融機関の大きな特徴です。

たとえば「セーフティネット支援」。これは現在経営状況が悪化しているものの、当座のピンチを乗り越えることができれば中長期的に業績の回復が見込める企業に対して融資を行う制度です。

それから「革新のための資金」。こちらは経営革新を行うために必要となる資金を融資する制度です。 (more…)

東日本大震災復興特別貸付とは?

2011年3月に起こった東日本大震災は未曾有といってもよい被害をもたらしました。津波をはじめとした地震の被害だけでなく、原発事故がもたらした風評被害も広範囲の企業に大きなダメージをもたらし、多くの中小企業が破綻に追い込まれる状況に陥りました。

現在でも震災のダメージで苦しい経営状況に晒されている中小企業は少なくありません。そんな企業の経営の建て直しのために用意されたのが東日本大震災復興特別貸付です。

先述のように震災は幅広い範囲で影響をもたらしたため、この制度では融資の対象を3種類に分けています。

まず「震災直接被害関連」。これはその名の通り震災によって直接被害を受けた企業を対象としています。 (more…)

創業支援貸付利率特例制度とは?

創業支援貸付利率特例制度とは日本政策金融公庫が実施している制度で、その名称からも推測できるように、新たに創業を検討している人や企業に対して資金調達を行う際に金利を優遇する制度です。

新規事業にはコストがかかりますし、経営が軌道に乗って安定した利益を出せるようになるまでには時間がかかります。それまで耐えられる体力(資金力)があるかどうかが勝負どころとなるわけですが、中小企業の場合はその体力面に不安を抱えているケースが少なくありません。

とくに融資を受けた環境で創業・新事業に乗り出す場合には利息の返済がそうした負担が大きい環境にさらに大きな重荷となります。こうした状況を軽減するために日本政策金融公庫では支援制度を用意しています。それが創業支援貸付利益特例制度で、新たに事業を検討している人・企業に対して資金調達を行う際に金利を優遇しているのが大きな特徴です。 (more…)

恩給・共済年金担保貸付とは?

日本政策金融公庫が提供している制度で、高齢者をはじめとした年金受注者の資金調達手段として役立てるために用意されたのが恩給・共済年金担保貸です。

老後破産の言葉が広く聞かれるようになったように、高齢化社会の影響で定年退職後の資産運用、さらには資金調達の難しさが指摘されるようになっています。

仕事もなく、年齢的な問題もあって金融機関からの融資を受けるのが難しい年齢になると年金以外に収入の手段がなく、まとまった資金が必要になった場合には貯金を切り崩す以外に方法がないというケースがほとんどです。

それだけの貯金を確保できていればよいのですが、なかなかそうした余裕がある方は少ないでしょう。 (more…)

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)とは?

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)とは日本政策金融公庫が行っている融資制度のひとつです。中小企業を中心とした幅広い企業が活用できる制度でもあります。

企業の資金調達における大きな問題点は資金が必要な時ほど融資を受けにくい点です。どうしてお金が必要になるのか、多くのケースでは資金繰りが悪化したのでそれをカバーするためにある程度まとまった資金が必要になります。しかしこうした経営状況が厳しい企業に対して銀行は積極的に融資を行ってくれません。銀行側の言い分としては経営状況が悪化して回収不能に陥るリスクを抱えている企業に融資を行うことはできない、ということになるでしょう。 (more…)

マル経融資とは?

マル経融資とは日本政策金融公庫が実施している小規模事業者を対象にした融資制度です。小規模の事業者は資金力不足の影響で短期間の売り上げ減などちょっとした原因で経営危機に立たされてしまうケースも少なくありません。そうした危機を乗り越え、経営状況を立て直すための支援としてこの融資制度が設けられています。

小規模事業者によく見られるのは、当座の資金が不足していることで危機を乗り越えることができないで破綻に追い込まれてしまうケースです。その危機さえ乗り越えることができれば改善の余地がある、あるいはチャンスが一気に開ける可能性があるにも拘わらず乗り切るだけの体力(資金力)がないために潰されてしまう、これは大半の小規模事業者が抱えている悩みです。そんな可能性を潰さないためにもこの融資制度は役立ちます。 (more…)

ファクタリングとは?わかりやすく解説します!

このページは約15分で読めます。

【目次(もくじ)】




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1.ファクタリングの概要

ファクタリングとは簡単に言うと、「ある企業の売掛金(商品やサービスを提供した対価)を買取ること」を言います。

例えば、A社が4月1日に、Z社に100万円の商品を売ったとします。

Z社の支払いスケジュールが翌々月15日の支払いであれば、Z社からA社へ6月15日に100万円は支払われます。(この時の「将来的に入金される100万円」をA社にとっての「売掛金」と言います。)

しかし、A社は5月末に80万円を用意しないと、会社が倒産するという状況にあったとします。

そこでA社の売掛金をI社が買取り、A社に90万円を支払います。I社はその後、自己の責任において、その100万円をZ社から回収します。

これをファクタリングと言い、I社のことをファクタリング会社と言います。

この時にA社は売掛金を売却する手数料として、売掛金の1~5%程度の費用をI社に支払います。

つまり、A社は(このケースの場合)1万円~5万円程度の費用が掛かるというデメリットがあるものの、所定の期日前に現金を受け取る事ができます。

I社はZ社から売掛金を回収するという手間と、回収出来なかった時のリスクを負いますが、手数料で利益を得る事ができます。

実際に直近の試算表(決算書)の「売掛金」の項目を見てみましょう。(クリックで拡大します)
 

 
上記試算表の例で言えば、売掛金が500万円計上されていますよね?

この500万円は「3ヶ月後」には、入ってくるのかもしれません。

でも、今月どうしても先にお金をもらいたい場合、ファクタリングを使うのです。

その場合、残念ながら500万円だった売掛金は480万円程度になるかもしれません。

実際に入ってくる金額が20万円減るけども、スピードを重視していま欲しいのかどうか?ということです。

当ページでも紹介していますが、ファクタリング会社は多数ありますし、後述する「二社間ファクタリングと三社間ファクタリングの違いとは?」でも解説しますが、会社や方式によって手数料は変わって来ます。

2.ファクタリングが生まれた背景

ファクタリングが生まれた背景には「黒字倒産」という現象があります。黒字倒産とは「数字上は利益が出ている(黒字)のに倒産をしてしまう事」です。

では、そもそもなぜ利益を上げている会社が倒産してしまうのでしょうか。

利益の算出方法を簡単言うと「収益-支出」です。収益は主に商品やサービスの売上です。

一方、支出は調達コストや流通コスト、人件費などが挙げられます。ここで大事なのはそれぞれの入出金のタイミングになります。

売上(入金)について

前項でもお話した通り、会社によって経理スケジュールが異なります。

通常の企業であれば、早くて末締め末払い(4/1に売り上げても5月末に入金される)で、遅い会社だと末締め翌々月末払い(4/1に売り上げても6月末に入金される)の会社もあります。

つまり、売上があったとしてもそのお金が実際に受け取れるのは大分後になるという事です。

支出(出金)について

一方支出はその逆で、支払いフローは早いです。

例えば、従業員の給料は毎月決まった日に必ず発生しますし、請求書のやりとりをしない経費はその場で支払う必要があります。

また、会社の家賃や光熱費、リース代なども毎月決まった日に支払わなければいけません。

このように、入金と出金のタイムラグが生まれるため、いくら売上を上げて数字上は黒字でも、キャッシュフローが原因(来月2,000万円が入金されるけど、今月1,500万円の支払いがある等)で倒産に追い込まれるという事もあるのです。

そのような状態を防ぐため(言い換えるとそのような事態を避けたいというニーズがあるため)ファクタリングが生まれたのです。

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3.ファクタリングの種類

ファクタリングには大きく分けて以下のような4つの種類があります。

一括ファクタリング

一括ファクタリングとは、ファクタリング会社が売掛金などを購入して、その代りにお金を支払う方法です。上述したファクタリング方法になります。

医療報酬債権ファクタリング

一括ファクタリングと根本的な仕組みは同じです。債券の種類が一括ファクタリングとは異なり、医療機関が国民保健や社会保険に対して請求する債券になります。医療報酬債権ファクタリングは、主に医療機関が行うファクタリングで、前項の一括ファクタリングは一般企業が行うファクタリングと認識ください。

保証ファクタリング

保証ファクタリングとは、売上債権などに対して金額保証をすることです。一括ファクタリングとの違いは、債券に対して現金を支払うのではなく、あくまで「保証」するという事です。

つまり、支払企業(代金の支払い義務を持っている企業。上述した例で言うとZ社)が倒産などをして売掛金が回収出来なくなった時に代金が支払われます。役割としては保険的な役割を担っています。

あくまで「保証」であるので、一括ファクタリングの主たる目的である「キャッシュフローの改善」というよりは、「確実な資金回収のための保険」という側面が強いです。

元々は建設業者や資材業者のような建築の下請け業者の保護が目的の制度で「下請債券保全支援」に基づいています。

国際ファクタリング

国際ファクタリングはグローバルファクタリングとも呼ばれます。一括ファクタリングとの違いは債券が輸出債券であることです。

つまり、その名の通り日本国内ではなく、国際的な取引で生じた債権を買い取るという事です。

この目的は一括ファクタリングの「キャッシュフローの改善」というよりは「確実な資金回収」になります。

そのため、海外企業に対して仲介力のあるファクタリング会社が担当している分野です。

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4.ファクタリングの「一括割引方式」と「個別割引方式」の違い

ファクタリングを利用する際の支払い方式には「一括割引方式」と「個別割引方式」の2つがあります。

まず「一括割引方式」ですが、契約日あるいは契約で指定した支払日に売掛債権の売却額をファクタリング会社が全額支払う方式です。

この方式はファクタリングでは最も基本的な支払い方法であり、特に売掛債権を売却するタイプのファクタリングの大半は「一括割引方式」で対応しています。

たとえば売掛債権が100万円で手数料が20%だった場合、80万円の資金がいっぺんに手に入ることになります。

次に「個別割引方式」ですが、これはファクタリングを利用する会社が自由に売掛債権の支払日や支払う金額を決められる方式です。

支払う金額は一部でもいいですし、「一括割引方式」のように全額でも構いません。

支払日については完全に自由というわけではなく、ファクタリング会社があらかじめ指定した月数回の日から選択して決めることになります。

自社のニーズに細かく対応できる分、資金調達の自由度は「個別割引方式」の方が上です。

ただし、ファクタリングにかかる手数料は「個別割引方式」よりも「一括割引方式」の方が安く済みます。「個別割引方式」の方が明らかにファクタリング会社の負担が大きいので、それも当然といえるでしょう。

そのため、できるだけファクタリング手数料を安く抑えたければ「一括割引方式」を候補に入れるのが賢明です。

5.二社間ファクタリングと三社間ファクタリングの違いとは?

ファクタリングは大別すると二社間ファクタリングと三社間ファクタリングに分かれます。

文字どおり、二社間ファクタリングは2社(ファクタリング会社とあなた)で行われる債権買取取引であり、三社間ファクタリングは3社(ファクタリング会社とあなたとあなたの売掛先会社)で行われる債権譲渡取引です。

二社間ファクタリングの特徴と手数料

二社間ファクタリングでは、ファクタリング会社は主に売掛先会社の信用調査を行い、恐らく回収は問題ないだろうと判断すればあなたに先にその金額から手数料を差し引いた金額を振り込んでくれます。

例えば、売掛先であるA社に対してあなたが売掛金500万円(翌々月末振込予定)を持っていたとしたら、先に450万円を最短即日振り込んでくれます。(手数料相場は売掛金の10%〜30%)

あなたは、実際に翌々月末にA社から500万円の入金があったら、ファクタリング会社に500万円を丸々振り込むことになりますし、既にファクタリング会社から450万円を受け取っている以上、何が何でもA社からのお金は回収しなければなりません。

ファクタリング会社からすれば、先に450万円を支払っていますし、あなたがきちんとA社から回収した上で、500万円の振込までしっかりしてもらわないといけないため、リスクが高まり管理コストも上がるため手数料は高めになります。

尚、ファクタリング取引をしたことは売掛先であるA社に知れることはないのが2社間ファクタリングの特徴です。

三社間ファクタリングの特徴と手数料

三社間ファクタリングでは、あなたのファクタリング会社に加え、あなたの売掛先A社を巻き込んで三社で話を詰める必要がありますので、当然売掛先A社にファクタリング取引をすることはバレます。

こちらは債権の買取というより債権譲渡になります。

債権譲渡の時点で2社間と同じようにあなたは売掛金を譲り渡した対価を受け取れます。

しかも、三社間の場合には手数料相場が1〜5%と公的融資並みのレートになります。

つまり、3%と仮定すれば、500万円の売掛債権がある場合、ファクタリングにより15万円の手数料で485万円の調達ができるということです。

A社に対して持っている翌々月末に入金予定の500万円の債権をファクタリング会社が譲受け、翌々月末になればA社から500万円を回収します。

ファクタリング会社からすれば、債権譲渡後は売掛先のA社の与信管理だけしていれば良いですし、あなたの業績自体はハッキリ言ってしまえば全く関係なくなります。(これがファクタリングが債務超過や赤字でも利用可能な理由です。)

二社間の場合に比べてファクタリング会社が負うリスクも管理コストも下がるため、手数料が安くなるというわけです。

馬鹿に出来ない手数料の差

ここまで説明してきた通り、一言にファクタリングと言っても2社間か3社間かで手続き実務も調達までの日数もそして手数料も違います。

切羽詰まっていて急ぎで資金調達が必要だったり、どうしても売掛先企業に知られたくない事情がある場合には、手数料が高くても二社間ファクタリングを利用せざるを得ません。

ただ、手数料相場10%〜30%と、1%〜5%は結構な差ですよね。

もし売掛債権額が1,000万円で二社間で30%の場合300万円取られることになりますが、三社間で低い場合は10万円程度で済みます。

二社間か三社間かも重要ですが、どのファクタリング会社を利用するかも慎重に考えなければなりません。

悪徳ファクタリング会社の場合相場を逸脱した課題な手数料を請求してくることもあります。

目先の資金繰りのきつさで冷静な判断が出来ない場合もあると思います。

三社間ファクタリングに持っていくコツ

三社間ファクタリングの方が資金調達コストで言えば大きなメリットがあることは既におわかり頂けたと思います。

ただ、売掛先に債権譲渡する旨がバレてしまうという点は、資金調達を考えているあなたにとっても大きな懸念事項なんでしょう。

多くの資金調達サイトやファクタリングサイトでも自ら「経営が苦しい」と売掛先に言っているようなものだから、医療・介護分野以外では3社間ファクタリングはなかなか難しい・・・という記述があります。(医療介護の場合、国の公的機関相手の債権ですし、知れても特に問題ないので3社間でいけるわけです。)

それ自体は事実ですし、どうしても取引停止などを恐れて売掛先にそれが言えない場合もあるかもしれません。

しかし、資金繰りがこのまま悪化してしまえば結局倒産し、取引は停止されるのです。

それを思えば、取引先に頭を下げ、誠実に事情を説明すれば応じてくれることもあるのではないでしょうか?

正直資金繰りが苦しい。だけど取引先のA社さんに支払い時期を前倒ししてほしいというわがままを言うわけにもいきません。そこで今回ファクタリングという形で売掛金を譲渡したいのだが応じてもらえませんでしょうか?譲渡先はしっかりとした企業です。

上記のような形で入ってみてはいかがでしょうか。

もちろんファクタリングという仕組みや、譲渡先企業(ファクタリング会社)に関してもきちんと詳細説明するのは当然のビジネスマナーです。

その上で、債権譲渡に当たっては取引先企業に手間や時間をおかけすることになります。

その分の謝礼なり、取引上のお返し(次回取引時の割引など)は考えても良いのではないでしょうか。

上述の通り、手数料が下手したら数百万円変わることを考えれば、もし3社間ファクタリングに協力してもらえた場合、相当なお礼をしたとしてもまだメリットが大きいことは間違いがないわけですから。

ちなみに二社間ファクタリングと三社間ファクタリングで選べる割引方式が異なることがあります。

二社間ファクタリングでは「一括割引方式」のみ利用できることが多いので、「個別割引方式」を利用したい場合は注意した方がいいでしょう。

それに対して三社間ファクタリングは「一括割引方式」と「個別割引方式」の両方を選べるようになっていることが多いです。

また「個別割引方式」は売掛債権の金額が高額な時に用いられることが多い方式となっています。

「一括割引方式」あるいは「個別割引方式」を利用するにはファクタリング会社が求める所定の書類でその旨を記入すればOKです。

契約中に方式を変更したくなった時はいつでも申し出ることで変更することができます。

そのため、どちらの方式にするか迷っている時はとりあえずどちらかを選んでおき、状況を見ながらより良い方式の方に変更するというやり方も可能です。

6.ファクタリングに必要な書類とは?

ファクタリングの申し込みに必要な書類は各社若干違う部分もありますが、一般的には以下に挙げる書類が必須です。スピーディーに資金を調達するためにも事前に用意しておきましょう。

まず、商業登記簿謄本(履歴事項証明書)が必要です。

契約書に捺印するのに印鑑証明書が必要になることも多いです。

また、最近では本人確認が厳しく行われるため身分証明書も必須です。

決算書はコピーでかまいませんが、税務申告済みのハンコがあるものを直近3年分用意しておきましょう。尚、直近の取引での入金が確かめられる通帳などの書類があると尚よいです。

取引先と基本契約を締結している場合は、その契約書も提出します。

また、売掛債権の成因資料である発注書、納品書、請求書なども提出しますが、売掛債権の根拠を示すものですから、これらに不備があるとまず審査に通ることはない重要なものです。

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7.ファクタリングの審査基準とは?

取引先の信用

ファクタリングは、売掛債権を利用して資金調達をする手段です。

そのため、取引先が期日までに、ちゃんと入金してくれる会社かどうかが大きな問題になります。

ファクタリング会社の側からすれば、取引先が倒産したり、期日通りに売掛債権が回収できなければ、大きな損害になるでしょう。

取引先の信用を判断する情報としては、次のものが主に挙げられます。

  • 個人・法人信用情報
  • 利益額・利益率・フリーキャッシュフロー
  • 借入件数
  • 借入の返済履歴
  • 自己資本比率等、会社の財務状況

入金までの日数

先述の通り、売掛債権そのものがファクタリングにおいては重要です。

そのため、売掛債権の譲渡金を支払ってから、実際に売掛債権分の資金が入金されるまでの日数が短ければ短いほど、安全性の高い取引ができると考えられます。

故に、入金までの日数があまりに長い場合、ファクタリングの審査においてはマイナスです。

売掛金の種類

突発的な売掛金より定期的に発生する売掛金の方が優遇されます。毎月安定して入ってくる売上ならば信頼性は高いです。

逆に、新規取引など継続性の証明できない売掛金にはリスクがあるため、慎重さが増します。

自社の信用

日本で主流となっているファクタリングは、2社間ファクタリングです。

これは、先述の通り、「売掛債権を有する取引先→ファクタリング利用会社(自社)→ファクタリング会社」という流れで資金が入金されるファクタリングです。

ファクタリング会社にとっては、ファクタリング利用会社に売掛債権分の資金が入金された直後に倒産してしまう、という事態は最も避けたいものでしょう。

そのため、取引先だけではなく、ファクタリング利用会社=自社の信用もしっかりチェックしています。

次の項目は特にチェックされるので、注意してください。

  • ファクタリングで調達した資金の使途
  • 資金繰り・フリーキャッシュフローの状況
  • 他社借入件数・返済履歴
  • 税金の滞納の有無

また、データで見えるものではないのですが、経営者・担当者の人柄も案外チェックされているものです。丁寧な対応を心掛けましょう。

譲渡登記

売掛債権の譲渡登記ができるかどうかもチェックポイントとなります。

これができれば、ファクタリング会社は第三者対抗要件を得られるためです。譲渡登記ができれば、審査においてはかなりプラスになります。

8.ファクタリングを利用しやすい業界とは?

一言でいえば、「売上に占める売掛債権の割合が大きく、回収までに時間のかかる業界」です。具体例を見てみましょう。

介護・医療業界

介護・医療業界における診療・介護・調剤報酬は、請求してから入金されるまでに2か月近くかかります。

入金までの期間を短縮し、その間の人件費や物品購入費に充てる目的でファクタリングを利用するのが有効な手段です。

また、これらの業界の場合、回収できないリスクが他の業界に比べると低いため、ファクタリング手数料が非常に安くなっています。

ゼネコン・建設業界

ゼネコン・建設業界の場合、一つ一つの案件の金額が大きく、入金までに時間がかかるのが大きな特徴です。

また、天候が悪ければ工事自体が進まず、売上も上がらない可能性もあります。

そのため、売掛金も回収できず、資金繰りが悪化するケースも少なくありません。ファクタリングを用いて売掛金を現金化しておけば、資金繰りにはプラスです。

IT業界

ゼネコン・建設業界と似た事情で、IT業界にもファクタリングは向いています。

プロジェクトの進行次第では、予定の納期に納品できなかったため、入金が遅れて資金繰りがショートするケースもあるのです。

また、特に創業間もない企業の場合、人件費・広告費などとにかく出費が相次ぎます。

そのため、手元に資金が1円でも多くあるのに越したことはありません。ファクタリングを効果的に用いて、資金に余裕を持たすのは有効な手段でしょう。

アパレル業界

資金繰りが悪化するリスクと隣り合わせ、という意味でファクタリングを活用すべきなのが、アパレル業界です。

商品の仕入れから販売まで時間がかかるため、実際の経営状況は悪くなくても、一時的に資金繰りが悪化する可能性もあります。

資金繰りが悪化してしまった後では、その後の信用にも関わるので、防止する手段としてファクタリングの活用を考えるべきです。

風俗業やギャンブル業では難色を示されることもあります。

逆に、医療報酬債権の信頼は非常に高いので、手数料が割安になるなどのメリットもあります。

基本的な性質をしっかり押さえ、適切なタイミングで利用しましょう。

9.動産担保融資(ABL)とファクタリングの違い

動産担保融資(ABL)は、アセット・ベースト・レンディング(Asset-based Lending)を指します。

中小企業の多くは不動産担保がないために、金利低め・大きな金額の融資が可能となる不動産担保融資を利用できません。

そこで商品在庫や売掛金などの動産を担保とすることで資金調達を実現するものがABLです。

事業資産としての売掛金がない場合には、ファクタリングも使えませんので、動産を担保とした融資(ABL)を検討することになるでしょう。

また、ABLも、ファクタリングも、企業が保有している売掛金を担保にして資金調達できますが、この2つの制度にはどのような違いがあるのでしょうか?

最大の違いはその担保になる売掛金を譲渡するかどうかにかかっています。

売掛金担保融資(ABL)ではこの売掛金を通常の担保として使用するのに対し、ファクタリングでは融資を行う金融機関に対してその売掛金を完全に譲渡する形となります。

つまりABLでは売掛金の回収は融資を受けている企業が行うのに対し、ファクタリングでは融資を行い、譲渡を受けた金融機関が行う形となります。(売掛金の回収主体が企業になるか、金融機関になるか?という違いです。)

この大きな違いは利用する際の手続き・手順にも影響を及ぼします。

ファクタリングの場合は売掛金を抱えている企業に対して請求金額を確認したうえで、ファクタリングを行うことへの承諾を求める必要があります。(3社間ファクタリングの場合)

その意味では売掛金担保融資(ABL)と比べて、取引先企業の協力・承認が必要な制度ともいえます。

売掛金を手っ取り早く現金化したいならファクタリングサービスの方が適していますが、取引先との関係を重視する、あるいは自社の資金繰りの状況を取引先や金融機関にあまり知られたくない場合には動産担保融資(ABL)が適しています。

10.ファクタリング型ヤミ金にご注意!

ファクタリング型ヤミ金とは、ファクタリング会社を装ったヤミ金のことです。

ヤミ金は昔からありましたが、貸金業法が改正されてからは取り締まりが厳しくなり、悪質な業者が生き残るのは難しくなりました。

そこで近年、新たにヤミ金が活動する場所としてファクタリング業界が利用されることになったのです。

ファクタリングのサービスは貸金業ではないので、貸金業法の規制は適用されません。また利息制限法や出資法も関係ありません。

たとえば、利息制限法では元金ごとに適用される金利が決められています。

具体的には元金が10万円未満なら金利は20%まで、元金が10万円以上100万円未満なら金利は18%まで、元金が100万円以上なら金利は15%までとなっています。

利息制限法で決められた上限金利以上の利息は支払う必要はありません。もし貸金業者が上限金利以上の利息を求めても無効になりますし、行政処分を受ける可能性があります。また出資法(上限金利20%)に違反した場合、今度は刑事罰の対象になります。

しかし、ファクタリングのサービスにはもともと金利がありません。

それではファクタリング会社はどのようにして利益を得ているかというと、金利ではなく「手数料」を回収しているのです。

ファクタリング型ヤミ金はこの点を利用してヤミ金まがいの取引を事業者に持ち込んできます。

具体的なファクタリング型ヤミ金の手口ですが、「高額な手数料を要求する」ことがあげられます。

手数料をどれくらいの額にするかはファクタリング会社が自由に決められるのですが、一般的には売掛金の15%〜20%程度で設定されます。

しかし、ファクタリング型ヤミ金の場合、15%〜20%をはるかに超える割合の手数料が設定されており、ひどいものになると90%を超えることもあります。

手数料は契約書に記載されているので、事前に察知することもできますが、ファクタリング型ヤミ金によっては月ごとの手数料だけ記載し、全体の手数料の記載を避けてごまかそうとするパターンもあります。

それから二社間ファクタリングであるにも関わらず、取引先に債権譲渡の事実を知らせることもファクタリング型ヤミ金の手口です。

二社間ファクタリングは、取引先を通さずに自社とファクタリング会社だけで売掛金を現金化できるところがメリットの取引なので、取引先に知られてしまっては元も子もありません。

こういった基本的なことを守ろうとしないのがファクタリング型ヤミ金の特徴といえます。

ファクタリング自体が悪いのではなく、ファクタリングを装ったヤミ金が悪なのです。

2017年5月にはファクタリング契約を装ったヤミ金業者の実質経営者7名が逮捕される事件も起きています。くれぐれも過大な高額手数料をとる業者には注意をしてください。

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11.ファクタリング業者徹底比較

ファクタリング業者はどのように選べばいいのでしょうか。

ファクタリングによる資金調達を検討している方のために、今回は各ファクタリング業者の特徴やデメリットなどを徹底比較しました。

手数料や入金までのスピード、対応している範囲などを比較して、ぜひ自分に合ったファクタリング業者を見つけてください。

ファクタリング業者選びのポイントは?

日本国内において、ファクタリングはまだ普及し始めたばかりということもあり、売掛金の買い取りを行うファクタリング業者にも大小様々な企業が存在しています。

質の悪いファクタリング業者を選んでしまうと、高い手数料を取られてしまったり、資金化までに長い時間がかかってしまうこともあるため、注意しましょう。

次のポイントをふまえて、優良なファクタリング業者を選んでください。 (more…)

指定信用情報機関とは?

指定信用情報機関とは個人がお金を借りるときに、その人の借り入れ状況などが把握できるように、個人の信用情報を管理・提供する組織です。

バブルがはじけて多重債務者が急増したことを受けて、個人への貸し付けに対する法律が強化され、総量規制が実施されるようになりました。

総量規制とは、貸金業者が個人に金銭を貸し付ける際に、年収の3分の1までしか貸してはいけないなどの規制を設けることで、利用者の借り過ぎを防止する措置です。

これに伴って導入されたのが、指定信用情報機関制度です。

この制度は個人に貸し付けを行う貸金業者が、その人の借り入れ状況や借入残高などを調べて返済能力があるかどうかを判断し、適切な貸し付けを行うためのものです。

カードローンや住宅ローンなどの各種ローン、クレジットカードの利用状況などが登録されており、現在どの程度の借入残高があるのかなどがわかるようになっています。

貸金業者は必ず信用情報機関に加入することが義務づけられており、借り入れの申し込みがあったときなどには、指定信用情報機関が管理する信用情報を確認して、適切な額の貸し付けを行わなければいけません。

また、個人の借り入れ状況や借入残高などを正確に把握するために、指定信用情報機関の間で個人信用情報のやり取りを行っています。

指定信用情報機関は個人の借り入れ履歴などの情報を扱うため、適切な管理と情報漏えいを防止するなど個人情報をしっかりと守る必要があります。

このため、決められた要件を満たし、個人情報を保護できるとして、内閣総理大臣が指定した法人しか営業できません。

内閣総理大臣が指定する情報機関なので、指定信用情報機関と呼ばれるのです。

現在、日本の指定信用情報機関は一般社団法人全国銀行協会が運営する全国銀行個人信用情報センター(KSC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)と、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、の3社です。

貸金業者はこれらの組織の会員となることで、個人の信用情報を照会できます。

同時に、自社の借り入れを利用している顧客の借り入れ情報を、指定信用情報機関に提供します。

全国銀行個人信用情報センター、日本信用情報機構、シー・アイ・シーの3機関は互いに連携し、保有する個人情報のやりとりを行なうことで個人の信用力を判断し、適切な貸付を行っているのです。

自分の信用情報に、どのような内容が記載されているのかを確認することも可能です。

それぞれの信用機関に本人開示の手続きを行えば、信用情報が本人限定郵便などで送られてきます。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)ってどんな機関?

全国銀行個人信用情報センター(KSC)にはさまざまな銀行が会員になっており、債務者の情報共有をしています。

ローンの契約や返済状況をはじめ、官報に載るような自己破産などの金融トラブルもしっかり記録されます。

信用を著しく落とすたぐいのことは、事故情報として他の個人信用情報管理機関にも通達されます。これは俗に「ブラックリスト」と呼ばれる状態です。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)は個人信用情報管理以外にも、多重債務を防ぐ活動や多重債務者のカウンセリングを行う活動など、さまざまな業務を行っています。

また信用情報の開示は本人でも行うことができます。自分がどのような信用状態にあるかをチェックしたい時に申し込むといいでしょう。

株式会社日本信用情報機構(JICC)ってどんな機関?

株式会社日本信用情報機構(JICC)は、全国銀行個人信用情報センター(KSC)と同じく個人の信用情報を管理する機関の一つです。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)に加盟している業者のほとんどは銀行ですが、株式会社日本信用情報機構(JICC)の場合は加盟業者の65%程度が消費者金融会社となっています。ただ消費者金融会社以外にも、信販会社やクレジットカード会社というように幅広い業者を扱っています。

個人信用情報機関の中では最も歴史が古く、1976年に最初の機関(全国信用情報交換所連絡協議会)が登場しています。その後1980年に全国信用情報センター連合会となり、テラネットからの事業継承、セントラル・コミュニケーション・ビューロー(CCB)との吸収合併を経て2009年に現在の名称になりました。

信用情報はリアルタイムで更新されており、当日の債務・返済状況でも加盟業者は簡単に把握することができます。そのため、信用情報が変わらないうちに借りるだけ借りようという悪事はできません。

また多重債務をした場合は半年、返済を延滞した場合は5年、債務整理をした場合は5年、株式会社日本信用情報機構(JICC)に登録され続けます。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)ってどんな機関?

株式会社シー・アイ・シー(CIC)は銀行個人信用情報センター(KSC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)と同じく、個人信用情報を管理することを目的とする組織です。

昭和59年に設立されてから割賦販売や消費者ローンといったサービスを扱う会社を会員としており、割賦販売法・貸金業法によって「指定信用情報機関」と認められています。

指定信用情報機関というのは内閣総理大臣指定の信用情報機関のことであり、公的に認められた組織になる分、個人情報の管理を厳守する義務が課せられています。

割賦販売や消費者ローンといったサービスを利用する消費者の信用情報を加盟会社から収集し、照会を求められ次第、それらの情報を提供するのが株式会社シー・アイ・シー(CIC)の主な業務内容です。

信用情報とはどのような情報かというと、消費者個人の属性や借金総額、返済状況、契約内容などが挙げられます。

これらの情報があればその消費者個人がどれくらい債務の負担を抱えているかが分かるので、過剰にお金を貸すことを防げるようになるわけです。

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